2024.01.29

スペシャルインタビュー

経営は「芸術」。 文化芸術の活動を続けるために必要な「会計」のこと。

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インタビュー・文 / 土門蘭、 撮影 / 佐々木明日華

確定申告の時期が近づいてきました。
個人事業主の皆さんは、すでに準備をされているでしょうか?
かく言う私(個人事業主の文筆家)はまだ準備が整っていなくて、よくわからないことだらけです。

何年経験しても手に負えない、この「会計」というもの。
数字や利益といった文脈とは別の価値観を大事にする「文化芸術」の領域では特に、会計に苦手意識を持たれている方が多いのではないかと思います。

とはいえ、お金はやっぱり大切です。
お金がないと作品が作れないし、活動もできません。
そろそろちゃんと会計に向き合うべきなのかもしれない……と毎年この時期に思います。
そこで今回は、マガザンの顧問税理士・西嶋康佑さんに、文化芸術の仕事を続けるために必要な「会計」のことについて、マガザン代表の岩崎くんとともにお話をうかがいました。
文化芸術と会計の健やかな関係性とは、どういったものなのでしょうか?

西嶋康佑
2009年、同志社大学商学部卒。富村将之税理士事務所に10年勤務し、2020年9月に京都よりそい税理士事務所を開業。同年、京都よりそいFP株式会社を設立。徹底した会計監査及び税務申告を基本とし、経営コンサル・財務コンサル・相続など幅広い分野に対応。特にコロナ禍での補助金支援、融資支援等の財務コンサルは多数のお客様から評価されている。マガザン創業以前からの顧問税理士でもある。

経営者の抱える無数の「困った」に寄り添う

ー今日はマガザンの顧問税理士である西嶋さんと、「文化芸術の仕事を続けるための会計」というテーマでお話ができたらと思います。まずは西嶋さんの自己紹介をお願いできますか?

西嶋: 

税理士の西嶋康佑と申します。2020年に独立して「京都よりそい税理士事務所」を開業しました。現在、メンバーは私を入れて8名。京田辺市にある自宅兼事務所で、完全テレワークで事業を運営しています。

岩崎: 

税理士事務所で完全テレワークって珍しいですよね。

西嶋: 

そうですね、全国でまだ10件もないくらいでしょうか。弊所は子育てをしながら働いているメンバーが多いんです。経験が豊富で能力が高いけれど時間の制約がある主婦の方がメインで働いています。

あと、屋号が氏名じゃないのも珍しいところですね。税理士事務所って、基本的には「氏名+税理士事務所」を名称にするっていう決まりがあるんですよ。

 

岩崎: 

ああ、確かに! みんなそうですよね。

西嶋: 

弊所も正式には西嶋康佑税理士事務所で登録しているのですが、氏名だけでは何も伝わらないから、シンプルに自分のやりたいことが伝わるように、屋号を「京都よりそい税理士事務所」と名付けました

ー「よりそい」というのが、西嶋さんにとっては大事な言葉なんですね。

西嶋: 

弊所の特色はまさに「よりそい」に注力していることです。私は前にいた事務所をちょうど10年勤めてから独立したのですが、理由は方向性の違いでした。前職は相続やM&Aなど、専門的な領域を追究する「税務のプロフェッショナル集団」を目指している事務所だったんです。

だけど私としては「目の前の経営者さんはそれだけを求めているんだろうか」という違和感がありました。私が担当している中小企業の社長さんや個人事業主さんは、それよりもっと身近な資金繰りや銀行融資、補助金のことなどでたくさん困っていらっしゃる。そんな中で「僕は税務のプロです」なんて言っても届きにくい気がしたんです。それよりも、経営者さんの「困った」に寄り添うことが大事なんじゃないかと。それを実現するには自分でやるしかないと思い、独立しました。

 

岩崎: 

それで「京都よりそい税理士事務所」に。

西嶋: 

はい。弊所のビジョンは「人のこころによりそい、経営者、仲間、家族、そして自分の幸せを応援する」というものです。メンバー全員がそのスタンスなので、経営者さんとの距離が近いのが強みですね。

よくお客様から聞くのは「前の税理士さんはあまり何もしてくれなかった」というお声なんです。いつの間にか決算書ができていたり、訳がわからないまま確定申告書ができていたりということが予想以上に多い。それで税務調査が入って数百万円税金を持っていかれた、なんて話も往々にあります。経営者さんが求めているのはコミュニケーションだと、独立して改めて感じています。

税理士だけは、なるべく早くつけるべき

お二人の出会いはいつ頃なんですか?

岩崎: 

西嶋さんとはマガザンができる前からのお付き合いなんです。お互い独立する前なので10年くらい前でしょうか。僕は会社員をしながら副業でBuddy toolsという雑貨屋をやっていて、西嶋さんは前職の税理士事務所にいらっしゃいました。お互いのオフィスが同じビルに入っていて、そこのBBQパーティで出会ったんです

西嶋: 

そうでしたね。先輩に名刺を持たされて「お客さんを引っ張ってこい!」と言われました。

岩崎: 

当時僕は会社員兼個人事業主だったんですが、それはもう会計がグズグズだったんですよ。自分が何に困っているか以前に、何に困るべきかすらわかっていない。そこから懇切丁寧に付き合ってくださったのが西嶋さんでした。その後マガザンを立ち上げて法人化して、スタッフが増えていく過程に、ずっと寄り添っていただきましたね。

西嶋: 

これまでに岩崎さんにはたくさんの方をご紹介していただきました。もう何名ご紹介いただいたのかわからないくらいで、岩崎さんがいなければ独立していなかったと言っても過言ではないです。

岩崎: 

僕の周りには、文化芸術領域で事業をされている方が多いんですよね。そういう方って、経済の文脈で活動を捉えていないことが結構あって。すでに大活躍されていたり、ポテンシャルの高い方でも、会計が苦手で決算や確定申告がちゃんとできていない……ってことが割とあったんです。そういう方に出会うたびに「いい人いますよ!」と西嶋さんを紹介し続けていました(笑)。

西嶋: 

岩崎さんがいなかったら出会わなかっただろう方たちばかりですね。でも私自身は、必ずしもうちの事務所と契約してもらわなくてもいいんです。ご紹介いただいた経営者さんに毎回申し上げているのが、「私でなくてもいいので、税理士だけはできる限り早い段階でつけてください」ということ。なんなら起業前からつけてほしいくらいです。

例えば確定申告にしても、一人でやろうとするとプライベートも事業も混ざってぐちゃぐちゃになってしまいがちなんですよ。節税しているつもりでも、計算が間違っていて税金を払いすぎているパターンも非常に多いです。税理士をつければ、そこらへん全部やってもらえます。私から言わせたら質はピンキリですが、税理士をつけないよりはよほどマシです。

最初は税理士の報酬を支払うのが厳しいこともあるかもしれませんが、みなさん口を揃えて「もっと早くにつけておけばよかった」とおっしゃいます。なので私じゃなくてもいいから、誰かしら税理士をつけてほしいと思っています。

税理士さんを選ぶポイントみたいなものはあるんですか?

西嶋: 

私がよく言うのは「フィーリングが合う人」ですね。税理士って特殊な職業で、「初めまして」の瞬間に決算書を見せてもらえるんですよ。でも決算書って、普通は簡単には見せないものですよね。それくらい信頼できないといけない相手な訳です。

そこでフィーリングや感覚が合わないと、その後何年も経営の相談をするなんてできません。経営だけではなく、家族が増えたり家を購入したりと、ライフプランも相談するべき時が出てきます。だから、どれだけ仕事ができるとか能力が高いとかではなく、「なんかこの人喋ってて気が楽やな」「感覚が合うな」という人を選んでほしい。「常に相談できる相手」という見方で税理士を選んでほしいですね。

「作りたい!」をコスパ良く会計に落とし込む

岩崎くんは西嶋さんに見てもらうようになってから、会計に対する考え方は変わりましたか?

岩崎: 

僕は会社を生き物のように捉えているんですけど、西嶋さんと出会ってからは、数字での通信簿のつけ方がわかったような気がします。会社を経営するっていろいろな物差しがあると思うけど、「これは合ってるんだ」とか「ここは頑張らなきゃいけないんだ」というフィードバックを的確に数字でもらえているのはありがたいですね。

岩崎: 

文化芸術の領域で事業をしていると、「作りたい」って思ったら、例え利益度外視でもどうしても作りたくなる時があるじゃないですか。例えばうちの経営するカフェ CORNER MIXには「MIX BIKE」という、人力で漕ぐとミックスジュースができるマシンがあるんですけど、これの投資価値って説明が難しいんです。でもそこで会社としてお金が発生する限り、絶対に会計に紐づけないといけない。そこにチャレンジしていい状況かどうかの物差しをもらえること、会計への落とし込み方を一緒に考えてもらえるのはとても助かります。

西嶋: 

今岩崎さん、すごくいいことを言ってくださいました。経営上の数字って、「税法」という法律に当てはめる考え方と、経営者が望む考え方では、ズレてくることがあるんですよ

例えばMIXBIKEの会計処理は、「原価」としても「固定費」としても捉えられます。最終利益は一緒なんですけど、原価だと売上に関連するから粗利に影響するし、固定費だと消耗品扱いになるので粗利に影響しません。最終の数字は一緒だけど、経営者にとってはその感覚って全然違うものです。

「法律ではこうだから、こう処理してください」と杓子定規に言うだけじゃなくて、経営者の数字に対する意図をちゃんと汲んであげることがすごく大事。 その感覚が腑に落ちるかどうかを、私たちはもっと大事にしないといけないと思っています。

つまり、経営者がどういうつもりでそのお金を使っているかってことですよね。ちなみにMIX BIKEは、どんな会計処理になったんですか?

岩崎: 

僕は西嶋さんから教育を受けているので、ある程度選択肢が想像できたんですよ。まず、MIX BIKE自体が話題になるだろうということで「広告宣伝費」。次にミックスジュースを作る製造機と捉えて「原価」、あるいは「設備費」。またはいつか販売することを想定すると「在庫」として捉えることもできる。その計上の仕方次第で、資産にできたり経費にできたりするんですが、その中で僕が一番いいと思ったのは「広告宣伝費」だったんです。

西嶋: 

「広告宣伝費」だと一発で経費として落とせます。一方で「減価償却資産」と捉えることもできて、これだと自転車は数年かかって経費になるんです。税理士という立場としては後者をとって保守的にいきたいんですけど……やっぱり大事なのは「経営者さんがどうしたいか」なんです

税法はグレーゾーンがあって解釈の余地があるものなので、税務調査のリスクを伝えつつ、でもそう解釈できないわけでもないからやってみましょうか、と。そこまで行くと、みなさん腑に落ちてくれるんですよね。

 

岩崎: 

MIX BIKEを広告宣伝費にしたことで、「じゃあ僕はそれを正解にするために頑張ろう」となるわけです。結果、MIX BIKEがテレビに3,4回出たり、たくさんメディアで紹介されたりしたので、これでペイできたなって思っています。

この順番が、経済の流れと逆なんですよね。経済文脈では儲けるための投資なはずなんだけど、「作りたい」が先に来ちゃうのが文化芸術事業あるあるです。その「作りたい」をどうコスパ良く、辻褄を合わせて、会計に落とし込んでいくか……

西嶋: 

文化芸術関係の方はその辺りの感覚が他の経営者さんと全然違うので、扱いがとっても難しいですね(笑)。

経営も「芸術」である

ーそこはすごく聞いてみたかったところです。文化芸術関係の方の会計の傾向って、どんな感じなのでしょうか?

西嶋: 

ほぼ100%「会計に疎い」傾向があります

ーああ……。

岩崎: 

耳が痛いですね(笑)。

西嶋: 

アート作品1つ作るにしても、仕入れや材料費や外注費など、何かしらの数字になっていきますよね。でもそんなことは皆さんお構いなし。「作りたい」「やりたい」という気持ちが前面に出がちです。

例えば「この作品を作るには、どうしても金箔がいるんだ」とおっしゃる。だけど会計側からすると「それだと原価割れせえへんかな?」と思うわけです。ここがすごく難しい。原価割れするからと言って「金箔を使わないでください」というのが果たして正しいのか? 数字だけ見ると金箔を使わないべきでも、芸術作品としては使うべきかもしれない。もしその作品が売れたら、知名度が上がって次につながるかもしれないし。

岩崎: 

そうですよね。

西嶋: 

こっちとしても「お金を使いすぎたらだめですよ」と言うと、相手の方のセンスが薄れていく感覚があるんです。そこはアーティストと関わる上で気をつけないといけないところですね。あんまり言い過ぎると作品の邪魔になるので、見守る形をとっています。

ただやはり「これぐらい稼がないと、自分の好きなことができなくなりますよ」という損益分岐点はあります。みなさん目を逸らしたがりますが、スタッフや家族など守るべき存在ができるとそこは向き合わざるを得ない。そんなお話をすると、皆さん真剣に聞いてくださいます。

岩崎: 

それは強烈な物差しですね。

ー文化芸術領域の方は、利益追求よりも「何がかっこいいのか」とか「何が面白いのか」に軸足を置く方が多いのではないかと思います。そういった方に税理士として伴走するのは難しそうだなぁと感じますが。

西嶋: 

難しいです。ただ私は「経営も芸術」だと思っているんです。創業後、10年後に残っている会社は1割未満だと言われています。ゼロの状態から価値を生み出して、10年間ちゃんと生き残れたということ自体がもう芸術と思えるわけです。経済を度外視する芸術家さんほど、「経営も芸術」だということを頭に入れてもらいたい。会社を残せないと作品を作れなくなることもあるわけですから。

岩崎: 

本当にそうですね。

西嶋: 

別に黒字は出さなくていいんです。特に芸術家さんは知名度がない間は赤字が続くけれど、先行投資として作品を生み出すことが必要です。のちに価値が上がって、作品の値段が10倍、100倍になりうる業界ですから、最初は借り入れで調整するとか、補助金を引っ張ってくるとか、そういうところでバランスを取ればいいと思います。

私はそんな経営者さんと一緒に成長していけるのが嬉しいんです。経営者さんの成長の過程に寄り添えるのが、私の最大の喜びですね。

大事なのは過去よりも未来の数字

ーそんな西嶋さんから見て、今のマガザンの会計の状態はどう感じるのか、率直なご意見をうかがいたいのですが。

西嶋: 

ここで言える範囲になりますが……弊所で見ているお客さんの中では、圧倒的にきっちりしていらっしゃいますね。

岩崎: 

え、マジっすか!

西嶋: 

マガザンさんのいいところは、ちゃんと予算を立てているところです。それも年次レベルではなくて、常にブラッシュアップをし続けているところ。以前岩崎さんが「日々予算を見直している」とおっしゃっていましたが、それはぜひ皆さんにもやってほしいことです。

もちろん過去の数字も大事ですが、より大事なのは未来の数字です。マガザンさんは「最終の着地点をこうしたい」と常に考えていらっしゃる。その着地点も、必ずしも黒字でなくてもいいんです。売上目標でもいいし、人件費の割合でもいい。要はちゃんと立てた目標にどれだけ実績が近づけているか。それを常に見ているマガザンさんはすごいと思いますね。

岩崎: 

うわー、そうですか。めちゃくちゃ嬉しいです。

ーもともと岩崎くんはそういうタイプなんですか?

岩崎: 

性格というよりは、会社員のときに経営目標がシビアな会社にいたから、多分その習慣ですね。でもそれ以上に今は「人」かな……うちは15人スタッフがいるんですけど、給料をちゃんと払い続けていきたいし、成果が出た分上げていきたいと思っているので。だから人件費率は、いつも特に気にしていますね。

ー西嶋さん、もし追加でマガザンにアドバイスするとしたらどうでしょう?

西嶋: 

マガザンさんは単年で目標を設定されていますが、より中期的な、3年5年ぐらいのスパンで見据えていくとより良いと思います。この5年をかけてどこまで行きたいのかを明確にするという。

岩崎: 

ああ、そこまではやっていないですね。

西嶋: 

5年後を考えると、1年目でどうするべきか見えてくるはずです。例えば「人」についても、雇った1年目では利益が出にくかったとしても、5年後にはその人が売上を生み出してプラスにしてくれているかもしれない。そのつもりで1年目が過ごせます。

まあ、5年後なんて不確かですけどね。特にマガザンさんはサブスク型でもないので、売り上げが見えにくい。でも目標を立てておかないと絶対にそこまで行けないので、やってほしいなと思います。

岩崎: 

そこは難しいところですよね。先ほど「経営は芸術」とおっしゃっていましたが、僕自身も経営にはバイオリズムがあると思っていて、急に何か違うことがしたくなったりするから……でも西嶋さんの言うことを守っている限りは潰れへんなっていう感じがしますね。

自分で自分の価値を高めていく

ーマガザンさんだけじゃなく、文化芸術領域で仕事をしていらっしゃるすべての人たちにも、もしアドバイスがあればぜひお願いします。

西嶋: 

文化芸術関係に限らずだと思うのですが、「世の中がこうだから自分の事業がうまくいかない」っていうのは言い訳じゃないかなと思っています。確かにコロナ級の情勢だと厳しいものがありますが、全部が全部経済のせいではないはずなんです。経済が悪化している中でも、ちゃんと儲かってる会社はありますからね。まずは経済のせいにする前に、自分の事業をちゃんと見つめ直すことが大事だと思います。

岩崎: 

厳しいですけど、本当にその通りですね。

西嶋: 

自分の事業に対して常に問いかけができているか。ビジョン、ミッション、バリューは適切か。ちゃんと目標を立てているか……自問自答をして、できることを全部やった上で、経済の影響を受けているのであれば仕方がない、でも、そこまでやってない人の方が大半なんです。弊所も含めてですが。

―うまくいかない時、つい外に目が向いちゃいますけど、まずは今自分がやってる事業にどういう価値があるのか、より付加価値を付けるにはどうすればいいのかを考え続けようという。

西嶋: 

はい。自分の事業の付加価値はもっと上げられるはずです。ちなみに売り上げの上げ方って、3つしかないんですよ。新規顧客を取るか、単価を上げるか、リピート率を上げるか。結果的には全部やらないといけないのですが、どこに重点を置くかです。

ーおお。

西嶋: 

例えば、新規のお客様と0からやりとりする余裕が今はないとすると、既存のお客様の単価を上げることが重要になります。弊所で言えば、通常業務に加えて補助金のお手伝いをしたり、インボイスのお手伝いをしたり。そこに収入アップできる可能性が生まれる。そんなふうに、無理に新しい事業やお客さんに目を向けなくても、今のリソースの中でできることはまだまだあるはずなんです。

私はよくお客様に「今出していらっしゃる金額の倍を提示してみてはどうですか」と言うんです。すると大体の方が「いや、世の中の相場はこれくらいなんです」とおっしゃる。でも、なんで世の中の相場に合わせなくちゃいけないんでしょうか? 相手の方がその値段でも満足してくれたらいいわけですよね。2倍の金額で交渉できたら、こちらは5倍のパフォーマンスでできるかもしれない。そうすれば相手の方はもっと喜ばれる……そんなふうに少し考え方を変えるだけでも変化があると思います。文化芸術領域に関わらず、自分で値決めをして、自分で自分の価値を作っていくことは、とても大事ですね

岩崎: 

ここまでくると経営コンサルに片足突っ込んでますよね。

西嶋: 

よく「西嶋さん、やりすぎです」と言われます(笑)。だから私自身、単価を上げないといけないんですけど……。

でも私は、経営者さんの相談相手になりたいんですよ。月に1回、その方の経営を見つめる貴重な時間を共に過ごしたい。それを日本語っぽく言ったら「よりそい」に集約されるのかなと思います。

岩崎: 

忖度のない壁打ち相手がいる、フラットなフィードバックがいただけるって、経営者としてはとてもありがたいです。

今日お話をしながら、改めて「数字を見ないとだめだな」と思いましたね。うちのスタッフは、ほぼみんな表現者なんですよ。だけどまだ表現一本で食えていないからうちに流れ着いた人たちなんです。僕の中には「みんなの経済的不安をなくして、彼らの表現のチャンスをより増やしたい」という気持ちもあってマガザンをやっています。その先で京都に文化を生み出してもらうことが目標だな、と。

そのためにも、これからも西嶋さんが必要だなと改めて思いました。これからもよろしくお願いいたします! 

 

文化芸術のための確定申告相談会

■日程
2024年2月9日(金) 18:00-20:00
参加費:無料(要予約・ワンドリンクオーダー)
予約はこちらから https://culture-kakuteishinkoku.peatix.com

■会場
CORNER MIX
〒602-8155 京都市上京区主税町智恵光院通丸太町下る950 https://maps.app.goo.gl/fzqkwg6DohbmRtqc9?g_st=ic

■相談役
西嶋康佑 (京都よりそい税理士事務所 代表)

■ゲスト
矢津吉隆 (株式会社kumagusuku 代表)

■お問い合わせ
editorial@magasinn.xyz

京都よりそい税理士事務所

京都よりそい税理士事務所では、会計の相談や顧問としての支援業務を承っています。
また、税理士、パートタイムスタッフの募集も行っています。

いずれもお気軽にお問い合わせください。
https://yorisoi.kyoto.jp

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