日本酒と滋賀を愛する蔵元がつくったのは、農家とともにある全く新しい酒でした。
- Project Information :
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滋賀県産米を23品種ブレンドの日本酒ブランド開発
- Date :
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Jan 2021
- Client :
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浪乃音酒造
プロジェクト概要
Outline
1本の日本酒が広げた、地域一帯のムーブメント
蔵元の想いを着火点にして、商品開発、ブランディング、マーケティング、クラウドファンディング活用の伴走をしたプロジェクトです。
地域だけの取り組みにとどまらず、日本酒を取り扱う飲食店、酒販店、地域農家やメディア、そして全国の日本酒を愛する方々へと想いが伝わり広がっていった、あたたかい希望を感じる取り組みとなりました。
プロジェクトの背景
Background
滋賀のお米をぜんぶ使ったお酒をつくりたい
滋賀県は大津市、びわ湖のほとりにある酒蔵「浪乃音酒造」。蔵元の中井孝社長はロマンあるアイデアを温めていました。
滋賀県の米をぜんぶ使った「ALL滋賀」という酒をつくりたい。
それは単なる思いつきではなく、地域の農家さんとともに滋賀県を代表する、風土と文化を届ける日本酒をつくりたいという長年の夢でした。
その第一弾として、できる限り多くの米を使った酒「ALMOST SHIGA 」の実現を目指すことになります。
プロジェクトのチーム
Team
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藤本 淳弥
シニアマネージャー / ディレクター
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井上 みなみ
シニアデザイナー / フォトグラファー
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岸本 敬子
デザイナー・イラストレーター / 准教授
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岩崎 達也
代表取締役 / 編集長
プロジェクトの発見
Discover
蔵元の熱い気持ちを言語化するネーミング
農家さんの力を借りて酒造りが現実的になってきたタイミングで、新ブランドのネーミングに着手しました。
マガザンチームでネーミングプランを用意したものの、蔵元はしっかりとした情熱をお持ちの方です。蔵元の中にある言葉と文脈を表出させるのが、名付けとしてふさわしいやり方なのではないか。
ある打ち合わせで蔵元が「高浜虚子が酒蔵の近くで詠んだ句があって、なんだか好きなんです。」という話をしてくださいました。それはこの句です。
湖も この辺にして 鳥渡る
「この辺、というざっくりした感じが好き。」という言葉に出会えた瞬間に、「湖の辺にして」というネーミングは決まりました。
プロジェクトのディティール
Details
高浜虚子の句の情景にインスピレーションを得たパッケージデザイン
「湖の辺にして」の味・見た目が毎年変わるように、びわ湖も常に表情を変えて私たちを楽しませてくれます。
このパッケージは、お酒をびわ湖に見立ててデザインしました。
変形ラベルは滋賀のなだらかな山をイメージした形です。ラベル裏側には鳥が飛ぶ様子が描かれており、お酒を正面から見ると山と湖とその上を渡る鳥の景色が楽しめるデザインとなっています。
浪乃音酒造は歴史ある酒造ですので、イメージを損なわないよう王道でありつつ、挑戦的なデザインを追求しました。
和紙に墨文字、赤い落款、金と銀のラベル、シンプルで上品な配色を心がけ、お酒を引き立たせるパッケージとなりました。
正面の文字は、箔押しの黒を使用。印刷よりも締まった印象になります。
酒の向こうに鳥が渡る景色が見えます。
プロジェクトの成果
Results
200人、200万円超を支援いただいたクラウドファンディング。広がった仲間の輪が、次のチャレンジの背中を押してくれます。
蔵元のブレない想いがあるからこそ、クラウドファンディングもマガザンチームの実績をもとにしっかりと自信と根拠を揃えて取り組むことができました。
1つのプロダクト、1本の酒が生み出すエネルギーと循環に勇気をもらって、また次の挑戦でご一緒できることを楽しみにしています。
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