2017.04.05

マガザンキョウト編集長コラム

キョウトニイッテキマシタ 3min. Hostel Kyotoに寄せて

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街が生まれるプロセスには大きくふたつあると思う。

ひとつは、行政やデベロッパーなどの手による、「都市開発」や「街づくり」と呼ばれるマクロ的トップダウンなアプローチ。

ふたつめは、個人や小規模事業者が自然発生的に集まって、結果的に街が生まれてくるミクロ的ボトムアップなケース。

魅力的な街をつくる上ではどちらも大事で、うまく相互作用するポートランドの様なケースもある。京都もそのひとつだと思う。

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今回の「キョウトニイッテキマシタ 3min. HOSTEL KYOTO」は、後者に当たる、極めてインディペンデントな事業者のヒト・モノ・コトを体験、購入できる場だ。

昨秋から商品品目は1.5倍の300種類超を揃え、ほぼ毎日ワークショップやイベントを開催する。クマグスク監修のもとで美術鑑賞エリアもつくった。

小さな裏路地の先に佇むカルチャー雑貨店「vou」、その妹的存在のオリジナルグッズが秀逸なバー「みず色クラブ」。

「コロナの玉子サンド」でも有名な、数十平米の店舗で喫茶店文化を確かに繋いでいる「喫茶マドラグ」。

二条の町家住宅街に突然現れる、紙への愛が凝縮された体験型印刷工場「修美社」。

その近所にこれまた突然現れる、小さな宇宙のようなカレー屋さん兼植物屋さん、「森林食堂」「ハッパナーセリー」。

他にもたくさん。

そこには自然体なコミュニティ、大企業から見れば随分と小さな経済圏が育まれていて、気持ちのいいサイズと距離感で成立している。

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たぶん、この中には「街をつくろう」という視界で店や場所をつくった人は殆ど誰もいないと思う。ただ純粋に、「いい仕事をしたい」、「自分らしい働き方をしたい」、「好きにやっていて気がついたらこうなった」、そのような小さな、でも確かな行動が積み重なった断層のようなものなのだと思う。

そこに、結果的に街が生まれているのだ。

これこそが、京都という街のカルチャーシーンなのではないかと思っている。

大きな寺社仏閣や美術館などの定番観光スポットはもちろん素晴らしいし、大好きだ。
それでもやっぱり、観光で訪れる方には、1回目の京都で定番を堪能したら、3回目くらいからはこれらの小さな場所場所を回ってほしいと思うし、「もう京都は知り尽くした」という先達にも、もう一度今の京都の新陳代謝が激しいカルチャーシーンに触れて、アップデートしてもらえたら嬉しいなんて生意気にも考えている。

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今回のキョウトニイッテキマシタも、前回に引き続き、京都のアートシーンを切り拓くクマグスク、ジェイアール京都伊勢丹と一緒に取り組む。物販はさらに充実し、ワークショップやイベントに美術鑑賞ゾーンも設けた、昨秋に実現できなかった部分にさらに一歩踏み込んだ内容になっている。

伊勢丹の婦人服売り場で、喫茶マドラグの玉子サンドを売る。

例えばこの一行を実現するために、関わる全ての方々の多大なる尽力と、半ばヤケクソに近いポジティブな調整の積み重ねからは、大企業と個人商店というある種の対立的構造を軽く乗り越えていける運命共同体のようなオーラがプロジェクトから滲み出ていて、こういう仕事をきちんと育てていきたいという思いにも、前回以上に駆られている。

そして、このプロジェクト立ち上げのきっかけをくださった伊勢丹の藤本さんと百相さんが、4月1日で文字通り「栄転」された。(前回の記事が見事な前フリ・フラグになっている笑)

『なぜマガザンキョウトは、ジェイアール京都伊勢丹に出店するのか』

 

お2人にも捧げるプロジェクトにできればと思うし、また違う形でご一緒できると思っている。私たちの共犯関係は、これからも自然と育っていくはずだ。

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前回よりも一層、京都の方も旅の方も、京都カルチャーに触れたい方も、何か新しいことを始めたい方も、京都駅を利用される際にふらっと覗いていただければ幸いです。

 

マガザンキョウト編集長
岩崎達也

《キョウトニイッテキマシタ 3min. Hostel Kyoto by マガザンキョウト & クマグスク》

・会期
2017 年 4 月 5 日(水)~11 日(火)

・会場
ジェイアール京都伊勢丹3階=ザ・ステージ#3
■商品一例
・【先行販売】<マガザンキョウト>オリジナル波佐見焼カップ
税込 2,376 円
<マガザンキョウト>のコンセプトである「泊まれる雑誌」=紙でない雑誌 という部分から逆説的に発想し、紙コップ風デザインのスタッキングできる波佐見焼カップを作りました。
ジェイアール京都伊勢丹先行販売です
hasamiyaki

・<喫茶マドラグ>コロナの玉子サンドイッチ
税込 594 円 (2切れ)
京都の名喫茶マドラグの名物メニュー「コロナの玉子サンド」をテイクアウトでご用意
分厚すぎる玉子サンドは、TVでも取り上げられるほどの大人気メニューです
※各日限定50個
※販売時間10:00-14:00
※お1人様3点までご購入いただけます
※無くなり次第終了とさせていただきます
tamagosando

・<マガザンキョウト>×<クマグスク>オリジナル風呂敷
税込 4,104 円
『キョウトニイッテキマシタ』限定デザインの風呂敷
ハリのあるさわり心地のよい生地と、さりげなくあしらわれた<マガザンキョウト>と<クマ
グスク>のロゴがポイント
furoshiki
・<昇苑くみひも>糸巻きお茶缶 (マガザンキョウト限定カラー)
税込2,592円
一本の長い絹の紐を熟練の職人が手で巻いて出来上がる<昇苑くみひも>ならではのお茶缶
ブラックはマガザンキョウト限定カラーです
chakan
■イベント一例
①《「れもんらいふ」千原 徹也》
ライブドローイング
日:2017年4月7日(金)
時間(予約不要):17:00-19:30
デザイン事務所「れもんらいふ」の代表アートディレクター千原 徹也氏が、3min HOSTELの展示空間をドローイング。空間が変わっていく様を、ライブで体験していただけます
chiharatetsuya
②《修美社 × Noteb》
印刷工場の余り紙 ”紙出(しで)” でつくる、オリジナルノートづくりワークショップ
日:2017年4月6日(木)
時間(予約制 各回3名):
【かおノート】①12:00-12:30 ②12:30-13:00  【紐綴じノート】③18:00-18:30 ④18:30-19:00
参加費:税込1,620円

③《ハコミドリ》
ハコミドリセミオーダーイベント
数十種類の植物と、ガラス&テープを選んであなただけの一点モノハコミドリをオーダー、お持ち帰りいただけます。
日:2017年4月7日(金)・8日(土)
時間(予約不要):11:00-19:00
参加費:既製品と同価格の商品代のみ

④《九鬼知也》
ライブドローイング
京都のグラフィックアーティスト九鬼知也が、お持ちいただいたモノにその場でドローイングいたします。
日:2017年4月10日(月)
時間(予約不要):11:00-19:00
参加費:イラスト代 税込1,080円

⑤《昇苑くみひも》
ブレスレットワークショップ
絹の京くみひもでオリジナルのブレスレットをつくるワークショップ。
日:2017年4月11日(火)
時間(予約制 各回3名):
①11:00-12:00 ②12:30-13:30 ③14:00-15:00 ④17:00-18:00 ⑤18:30-19:30
参加費:税込1,620円

⑥《クマグスク×村上美樹氏展示》
クマグスクのキュレーションで選ばれた美術作家の村上美樹氏による作品展示・販売を行います。
日:2017年4月5日(水)~11日(火)
時間:(予約不要):10:00-20:00
参加費:無料

★②⑤は事前予約を承っております
【予約方法】
①氏名 ②参加希望内容・日時 を明記のうえ、下記メールアドレスにお申し込みください
lady-transadalt@wjr-isetan.co.jp

※先着順のご案内となりますのであらかじめご了承ください
※イベントの詳しい内容は、マガザンキョウトfacebookページをご参照ください
【出展作家・取扱商品】
■マガザンキョウト×波佐見焼オリジナルカップ■マガザンキョウト×クマグスク当企画限定デザイン風呂敷■村上美樹(アート作品)■みず色クラブ(オリジナルグッズ)■新福菜館×れもんらいふ(限定丼)■sunao(コスメ)■SOMALI(ハウスケアグッズ)■ANREALAGE×れもんらいふ(限定Tシャツ)■YUY BOOKS 選(「オミヤゲ」になる本)■西陣織金襴(限定クッション)■Minimalight(財布)■中田誠(器)■昇苑くみひも(茶筒他)■大山崎コーヒーロースターズ(珈琲豆)■古賀睦(アート作品)■vou(カルチャーグッズ)■サウナの梅湯(タオル)■ハコミドリ(植物×ガラスアート)■ALL YOURS(水をはじくパーカ)■森太三(立体作品)■翠灯舎(「音読」フリーペーパー)■プロッタードローイング(美術作品)■工房ごだい(漆器)■花背WARA(コンテンポラリージュエリー)■ら そ う(ブックカバー、袱紗)■とんぼせんせい(雑貨、ZINE)■ハッパナーセリー(植物と鉢)■MOTEL(ZINE)■コンズサイクル(自転車) ■ko haction(「デニちり」シャツ他)etc…
※変更になる可能性がございます。

【協力】
STUDIO森森、京都精華大学、京都造形芸術大学