2017.04.05

マガザンキョウト編集長コラム

マガザンキョウトは、なぜジェイアール京都伊勢丹に出店するのか?

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下記の既報の通り、11/23(水祝)〜11/29(火)まで、マガザンキョウトとアートホステルクマグスクがコラボレーションしたポップアップお土産ショップを、ジェイアール京都伊勢丹(以下、伊勢丹)に期間限定で出店する。

《京都土産の新定番が一同に会す、期間限定のお土産屋が登場!》
『キョウトニイッテキマシタ』
ジェイアール京都伊勢丹 期間限定 POP UP お土産ショップ

事の発端は、伊勢丹のバイヤーである藤本淳弥さんがマガザンキョウトへ来店されたことにあった。

7月のまだ暑かった時期だったと記憶している。パリッとした品のあるネイビーのスーツスタイルで丁寧な物腰、いかにもファッションの伊勢丹の社員さん、という印象だった。「いつか一緒に何かできたらいいですね。」というお話をしたことを覚えている。

それからしばらくして届いたメールに、「企画書を作成いたしましたので、お時間あるときに一度ご確認いただけませんでしょうか。」とあった。ポップアップショップのお誘いだった。

開業後間もないこともあり、マガザンキョウトの場所づくりに専念したく、店外での出店の類はすべて断念せざるを得なかった中で、今回もひとまず先延ばしに、と思った。しかし、藤本さんの場合はなかなか諦めてくださらなかった。

最後には不可能を承知でこう返信した。「伊勢丹に一般のお客さんが『泊まる』仕掛けをつくることができないでしょうか? もし可能であれば単なる物販ではない、マガザンキョウトが介在する意味が出てくるかもしれません。」

実現できたらおもしろくなる切り口かもしれないが、これでさすがに諦めてくださるだろう、という思いが正直多分にあった。

それでも藤本さんは、「僕たちでは絶対に思い浮かばないアイディアですね、、、正直かなりハードルが高いかと思いますが、関連箇所に一度話を上げてみますので少々お待ちいただけますでしょうか。」と、本当に関係各所に掛け合ってくださったのである。もちろん、やり取りから単なる無鉄砲ではないことはありありと伝わってきた。

大企業である伊勢丹の関係各所というのは、直属の上司だけにとどまらず安全管理系の部署など様々な部門へ、時に煙たがられながら確認を取らないといけないのが容易に想像できる。

この一連のやり取りから、「これは本気でなんとかしようとしている。マガザンキョウトに本当に可能性を感じてくれている。そして伊勢丹として新しいチャレンジをしたいという想いが強くお有りだ。」と思った。これはもう伊勢丹に、藤本さんにきちんと向き合おう、と腹をくくった。

そこから企画を出し直し、「展覧会に泊まる」という切り口で新しい京都の滞在体験をつくるチャレンジをしているクマグスクの力を借りて、まず形にできるところから始めることになった。

百貨店業界は苦戦している。日本で業界TOPに君臨する三越伊勢丹ホールディングスの社長でさえ、こう言っている。

“百貨店自体がもう衰退産業といったら言い過ぎですが、そう言えるくらいこれまでのビジネスモデルが成り立たなくなってきており、本来の百貨店の姿というものが見えにくくなってきています。ですので、三越伊勢丹グループとしてはまずは本来の姿に立ち返り、もう一度百貨店としての王道を取り戻していきたいと考えています。”
-PARTNERインタビュー記事参照

「京都の玄関口でありお見送り口としてのジェイアール京都伊勢丹は、どうあるべきか?」、「そこにマガザンキョウトとクマグスクは、自分たちらしくどう寄与できるのか?」という問いを携えて、『キョウトニイッテキマシタ』に臨む。

その答えを藤本さん、クマグスク、商品を提供してくださる皆さん、一緒に走ってくれるプロジェクトメンバーたちと模索しながら試行錯誤する時間になると思っている。

お土産の販売や京都の素敵な人・モノ・コトを知っていただきたいのはもちろん、マガザンキョウトを知ってくれる方の裾野を広げ、宿泊滞在総数を増やして、マガザンキョウトを体験してくださる方々と出会いたいという意図もある。そして百貨店、伊勢丹を肌で理解して、藤本さんと一緒に次のチャレンジへつなげる種を見つけたいと思っている。(お願いだから他店へは異動しないでください笑)

京都の方もそうでない方も、京都駅を利用される際に足を運んでいただけると嬉しく思う。

《京都土産の新定番が一同に会す、期間限定のお土産屋が登場!》
『キョウトニイッテキマシタ』
ジェイアール京都伊勢丹 期間限定 POP UP お土産ショップ

マガザンキョウト編集長 岩崎達也