2020.10.26
履物特集 共同編集者インタビュー
美しい物に対する、「なんかいいな」という感覚を信じてみる。
- Credit :
- インタビュー・文 / 土門 蘭、 撮影 / 井上 みなみ
新型コロナウイルスの影響で、世界中に大きな変化が起こった今年。マガザンキョウトもまたその例に漏れず、営業方針を変えざるを得なくなった。
営業時間は短縮され、特集やイベントも一旦お休みに。そんな中何をしていたのかと言うと、オンラインで繋がることの意味を問い直すため、ECショップで京都カルチャーを届けるための試行錯誤を行っていたのだと、編集長・岩崎くんは話す。
京都のユースカルチャーを体感できたり、旅が楽しくなる道具や雑貨を仕入れ、言葉、写真、SNSなどを活用しながら、オンラインでその魅力を発信していく。
結果ECでの売り上げは急激に伸び、しかもその8割は新規客に。お客様やスタッフ、パートナーに支えられながら、自分たちの役割を果たすことへの自信に改めてつながったと、岩崎くんは言う。マガザンにとっては、店として新たな領域の「雑誌」のあり方を模索する時期になったのかもしれない。
さて、そんな時期を経たマガザンキョウトの新しい特集は、「履物〜日本の古き衣装を日常に取り入れる〜」だ。
共同編集者は、今年の4月、京都・岩倉に履物店「履物関づか」とギャラリー「岩倉AA」をオープンした関塚真司さん。彼はここで、履物のデザイン・製造・販売までの一貫した提案を行ったり、国内外の様々なものごとを独自に紹介している。
そんな関塚さんと作られたマガザン館内には、履物関づかの革足袋「tanhi」が美しく並んでいる。
柔らかくなめらかな手触りの羊革足、そしてマガザン別注の、頑丈でシボの表情豊かな鹿革。手に取るとその美しさ、手触りの良さについうっとりとしてしまう。
でも、なぜ今特集に「履物」が選ばれたのだろうか。そして、なぜ革足袋なのだろう?
オンラインから現実空間へと戻ってきた第一弾の特集に、「履物」が選ばれた理由が知りたくなった。
革足袋のみが並ぶある種ストイックな空間の中、マガザン編集長の岩崎くんと、共同編集者の関塚さんにお話をうかがった。
目次
和装と洋装をつなぐための「革足袋」
- 土門:
-
革足袋って、初めて手に取りました。
- 関塚:
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今の足袋は布でできていて、ソックスに近いものですよね。でも、もともとは足袋って革でできていたんですよ。草履を履くときに足を守る物という意味で、この二股の革足袋が生まれたんです。
- 土門:
-
へえー、もともとは革で作られていたんですか。
- 関塚:
-
とくに戦国武将とか外に出て行って戦う人って、「足中」っていう小さめの草履を履いていたんですね。小さい草履の方が動きやすかったり踏ん張りやすかったりして、理に適っていたんです。でもそれだと半分くらい足が出てしまうので、今のような布足袋だとすぐにボロボロになってしまう。だから、丈夫な革足袋が主流だったんです。
でも、今は足袋と言えばほとんど白い布ですよね。和装で革足袋を履いているのは、能や狂言といった伝統芸能の舞台に立つ人だけじゃないかな。あとはまあ……変な人が履いてる。
- 岩崎:
-
我々のようなね(笑)。
- 関塚:
-
それで、僕が今なんで革足袋を作ったかと言うとね、「和装」とか「洋装」とか、着るもの・纏うものに制限をつけるのがすごく嫌いだからなんです。
自分自身、草履の職人だけど和装はしないし、うちに来るお客さんも「履物」を見に来ているだけで、和装のための小物を探しに来ているわけではない。とは言え、洋服を着ながら草履を履くときって、ひとつ架け橋みたいなのが必要なんですよね。和装と洋装の架け橋になるもの、あるいはそれらをフラットにするための装置として、この革足袋を作ったんですよ。
- 土門:
-
和装と洋装……つまり「履物」と今のファッションをつなぐものとして?
- 関塚:
-
そうです。でも、今の足袋はすでに和装のものになっている。だから、もっとぐっと足袋の歴史をさかのぼってみたらどうだろう?と思ったら、革足袋に行き着いたんです。そしたら結構ハマった。それを「いい」と思ってくれたのが、マガザンさんでございます。
日常の中に「和」のものを取り入れたかった
- 土門:
-
岩崎くんは、もともと関塚さんを知っていたんですか?
- 岩崎:
-
いや、この春に知りました。インスタである日、革足袋の写真が流れてきたんですよ。それを見て「これはやばいぞ」とピンと来て、すぐにお店に行ったんです。ただのミーハーですね(笑)。
- 関塚:
-
オープンしたのが今年の4月でコロナ真っ最中でしたから、最初は知り合いがお忍びで来るくらいだったんですけど、そんな中珍しい人でしたね。
- 岩崎:
-
僕は京都に来たときから、せっかくだし和の気分を取り入れたいとずっと思ってたんです。でも、そういうものってなかなか見つけられなかった。日常の召し物としてシックに着られる、京都で作られている和のものがあんまりないなぁと思っていました。
そんなときに写真がインスタで流れてきて、「これだ!」と思ったんです。初めから足袋目当ててでお店にうかがいました。
- 土門:
-
じゃあ岩崎くんも、和装と洋装の垣根を超えていけるようなものを探していたんですね。
- 岩崎:
-
そうです。それで、現地で履かせてもらったらめちゃくちゃタイプで……。もともと革靴が好きなもので、フィッティングとかも楽しかったし。
- 土門:
-
確かに私も京都に長く住んでいますが、和装はほとんどしたことないです。浴衣や着物って、非日常のものというイメージで。
- 関塚:
-
足袋って、和装の付属品に捉えられがちなんですよね。でも、下駄や草履といった履物って、日本人が日本の風土に合わせて作った最適なものだというのは間違いないんです。高温多湿な環境下で、足元がオープンになっている履物は理に適っている。
それに革足袋は、ルームシューズにも使えるんですよ。日本人は正座をするから、スリッパだと脱がないといけない。でも革足袋だとぴたっと覆われているのでそのまま正座できる。日本の生活スタイルとも合っているんですよね。だから、履物を「和装の小物」という観点のみで敬遠するのはおかしいと思うんです。洋装でも、履物をもっと履いてほしいですね。
このマイナー競技ならオリンピックに出られるかも
- 土門:
-
関塚さんは、もともとは革靴屋さんで販売員をされていたそうですね。そのあと、京都の老舗履物屋さんに転職されたと。「履物」の世界へ足を踏み入れるきっかけは何だったんですか?
- 関塚:
-
いやぁ、もともと履物全般は好きだったんですけど、たまたま誘われて……ですね。「修行するぞ!」みたいな感じではなかったです。でも履物を作っているうちに、途中から「これは自分の生業になるな」と思いました。ちょうどよかったんですよ。僕の人生的に。
- 土門:
-
ちょうどよいとは?
- 関塚:
-
まず、競合が少ない。そして斜陽的で、実は歴史も浅くて人間国宝もいない。にも関わらず、日本の履物ってすごいこだわりようなんですよね。「田んぼに入る」とか「水の上を歩く」とか、風土や働き方に徹底的に寄り添って工夫され続けてきたんです。
それで「これはちょうどいいな」と思いました。5年くらいやるうちに自分もなかなか器用だぞって気づいて、このマイナー競技なら俺もオリンピックに出られるかもしれない、みたいな(笑)。
- 土門:
-
なるほど(笑)。それでいつかは独立を、と。
- 関塚:
-
はい。履物でいこうと決めてから、自宅にギャラリースペースを作りました。そこで年に8回ほど、アパレルや工芸などの企画展を開いたんです。自分で企画して、リスクを負いながら仕入れして、お客さんに売る。それを3年ほどやっていました。
なぜかと言うと、履物で独立するためには仲間が必要だと思ったからです。同じように美しいものを作っていたり、志を持っている人が仲間に欲しい。ギャラリーを通してそういう人を探しつつ、独立後もギャラリーを併設しようと思っていました。それで今春、「履物関づか」という履物屋と「岩倉AA」というギャラリーを隣接させてオープンしたんです。
- 土門:
-
独立後もギャラリーを隣接させたのは、なぜだったんでしょう?
- 関塚:
-
履物って、すごく狭い世界じゃないですか。だから僕が作ったものだけではなく、僕が「美しいな」「いいな」と思ったものを置くことで、足を踏み入れる人を増やしたかったんです。服やハサミを見に来てくれた人が、足袋も手にしてみる……みたいな。逆もしかりです。
- 岩崎:
-
僕が今着ているジャケットも、足袋を見に行った時にいいなと思って、しばらく悩んでから買ったものなんですよ。
- 関塚:
-
そう、ここにうちのお客さんの理想形がいます(笑)。うちの店にあるものの共通点は、「美しい」「いい」っていうこと。そこで基準を揃えて、いろんなものを並べている。自分自身、「この人が『いい』と言うものは信じられるぞ」という人が店主だったら買ってしまうので、そういう店になったらいいなと思っています。
「なんかいいな」という感覚をめちゃくちゃ信じている
- 岩崎:
-
関塚さんのやっていらっしゃることは、マガザンの逆なんですよ。マガザンのテーマは「雑誌」の「雑」。箱の中にまずは雑多に放り込んでみて、そこから何が生まれるのかを見る感じ。でも関塚さんの箱は、美しいもの・選りすぐられたものだけが集まっているんです。それって自分たちにはないものなので、憧れなんですよね。
- 土門:
-
関塚さんがお店に置くものの基準は、やはり「美しい」ことですか?
- 関塚:
-
それもあるけど……やっぱり、「なんかいいな」って思うものですかね。「これいいよね」「うん、いいね」っていう掛け合いが、僕はすごく好きで。この「なんかいいな」って感覚を、めちゃくちゃ信じているんですよね。
- 岩崎:
-
あえて、そこから先に行かないようにしている感じにも見えます。
- 関塚:
-
そうですね。理屈として言葉にすることもできるのだろうけれど、一番大事なのは「いいね」って感じることだと思うから。これは染色工芸家・芹沢銈介さんのお弟子さんから聞いた話なんですけど、民芸の方たちが集まって作品を決めるときって、「これいいね」「いいよね」って言葉が多用されるんですって。
- 土門:
-
えっ、そうなんですか! もっとロジカルな言葉が飛び交っているのかと。
- 関塚:
-
もちろん、理屈の話もされているでしょうけれど、やっぱり最終的には「なんかいいね」に落ち着くらしいんですよ。
岩崎さんもうちに来る前は、さっき話した革足袋のストーリーって知らなかったと思うんです。でも、僕は知らなくていいと思っていて、感覚的に「いいな」って思ってくれることがとても嬉しいんですね。結局スーツでもシャツでも、自分が身に纏うものはみんな、感覚的に「いい」って思って買ってるはずなので。
- 岩崎:
-
今ってすぐに調べられてしまうから、「いいな」「いいね」のその先に行きたくなってしまうけれど。そこで止まって浸れるのって、貴重な時間だと思いますね。
美しさをわかるために、まずは知りに行く
- 土門:
-
岩崎くんはまさにその「なんかいいな」を感じて、関塚さんに声をかけて今回の特集を実現させたんですね。
- 岩崎:
-
そういうことですね。
- 関塚:
-
僕が「いいな」と思って作っているものに、すごいスピードで「いいな」と思ってくれたのは、単純にうれしかったですね。やっぱり早いってすごいことですよ。他の人がいろいろやり始める前に、直感で「いいね」って言ってるんだから。
- 岩崎:
-
ミーハーを肯定してもらったな(笑)。
- 関塚:
-
だから、どこよりも早い別注商品ができあがったんです。今は他のところでもいろいろ作ってるので、もし今声かけられてたらやらなかったかもしれない。
- 土門:
-
お二人を見ていると「いいな」っていう自分の感度を信じているような気がします。でも私は、その「いいな」と思う感覚に自信がなくて……。洗練されたり美しいものを見ると「自分は本当にわかっているのかな」と反射的に腰が引けてしまうので、お二人のそういうところをすごいなぁと思うんですけど。
- 関塚:
-
その気持ち、僕もめちゃくちゃわかりますよ。知らないと話してはいけないんじゃないかとか、大人になるにつれ思ってしまいますよね。でも、わかってないのは当然のことなので、まずは知りに行けばいいと思います。わからないことは「教えて」って言ってもらえれば教えますし。
- 土門:
-
なるほど。わかっているから行くのではなく、わかるために行けばいいんですね。
- 関塚:
-
そうそう。そのための拠り所がギャラリーなので。
- 土門:
-
ちなみに、おふたりの「いいな」という感度は、どうやって鍛えたんですか?
- 関塚:
-
そうですねえ……「いいな」ってこと以外わかっていないものにお金を払うわけですからね。やっぱりリスクを背負い続けることかな。どこに大枚をはたくのかを考えるのは、すごく好きなんですよね。
夏に、うちの店で「選んで決める」というイベントをやったんですけど、あれはその極みなんです。ネットを見たら出てくるようなものではない品を実際に見てもらって、感覚的に「いいな」と思ったら「買え」というイベントです。
あのね、僕たちは普段「選ぶ」という行為を、無意識のうちにめちゃくちゃやっているんですよ。何時に起きるか、何を着るか、どっちの手でカップを持つか……全部選んで決めてる。意識すると頭がおかしくなってしまいそうですし、それで僕は本当におかしくなってしまいそうになったんだけど(笑)、でも選ぶのってめちゃくちゃおもしろいから、そういうのを味わってほしいんですよね。
- 土門:
-
なるほど、その繰り返しなのかもしれないですね。
- 岩崎:
-
僕もいつもリスクを負って仕入れているんですけど、今回が今年一番の仕入額です。それでも「やろう!」って決められたのは……まずは、関塚さんの商品がまず間違いなくいいものだっていう確信があったからなんですよね。
あと、マガザンでは今年コロナの影響を受けて、オンラインストアの強化に舵を切ったんですよ。そうしたら売り上げがすごく伸びて、仕入れた物が今までよりもちゃんと売れていったんです。それでスタッフみんな、「良いものを仕入れてちゃんと伝えれば、ちゃんと売れるんだ」と自信がついて。それで今回、仕入れに踏み切れたというのもあります。
あとは、関塚さんからの勉強代ですね。関塚さんに食らいついていけば、必ず何か学びを身につけられるはずだから、その投資でもある。
- 土門:
-
関塚さんからどういうところを勉強しているんでしょう?
- 岩崎:
-
洗練すること、ですね。つまり、過不足ないところまで研ぎ澄ますこと。そのプロセスを追体験させてもらっている感覚です。スタッフにも、それは学んでほしい。
- 土門:
-
なるほど。まさにここにある商品が、それを体現しているように感じます。
「美しい」ものとは、「集中して作られている」もの
- 土門:
-
ちなみに、関塚さんにとっての「美しい」とか「洗練されている」とはどういう状態でしょうか。
- 関塚:
-
うーん、「美しい」とは……考えたことなかったな。……ああ、でも、集中力が高いものですかね。集中力をもって作られている物は、たいがい美しいです。
- 土門:
-
集中力ですか。
- 関塚:
-
うん。細部まですごく気をつけて作られているもの。日本のものは「裏側を見なさい」ってよく言われるけれど、端っこを見るとわかりやすいですね。遠くから見た様子、近づいたときの厚み、そういうところまですべて計算されて作られているんだろうなってものは、全部美しい。だから、僕は店で扱うものは必ず現場を見に行きますよ。誰がどのように作っているのかを知るために。
- 土門:
-
関塚さんも、作るときは集中力を大事にされているんですか。
- 関塚:
-
めちゃくちゃ集中していますね。昔のものをリプロダクトして残念になりがちなのは、なぜその薄さで、なぜそのバランスなのかみたいなことを大事にせずに作り直すからだと思うんです。その時代の作り手と同じだけの集中力が働けば、リプロダクトされても美しいはずだって信じてる。
- 岩崎:
-
だからかな。関塚さんって、ちゃんと疲れているんですよね。時々、めちゃくちゃ疲れてる。
- 関塚:
-
集中すると疲れるものなんですよ。でも幸せなことですね。そうやって作れるのは。
- 土門:
-
そういうものをここで見てもらえるのは、すごくいいことですね。
- 岩崎:
-
ここは若い人もよく来てくれる場所なので、そういった美しいものに対する興味を持つきっかけになったらいいですよね。
「靴ではない日本の『履物』」を追い続けている
- 土門:
-
そろそろ最後の質問ですが、関塚さんにとって「履物」とはどういうものでしょうか?
- 関塚:
-
実は、まだ僕もよくわかっていないんです。10年くらい前に、名前も知らないおばさまにこんなことを言われたんですよ。「靴じゃない『履物』みたいなものってないの?」って。それがずっと頭に残っていて、「靴ではない日本の『履物』」って何なんだろう、って考え続けているんです。
でも僕は、まだそれは何なのか知りません。技術的にアップデートしていって、昔のものをリデザインしていくことなのか。草履でもなく下駄でもない、新しい1個のジャンルを今後作ることなのか。もしかしたら、すでに作っているのかもしれないし。
とにかく「靴ではない日本の『履物』」をゴールに置いて、ずっとさまよいながら作っている感じですね。
- 土門:
-
ここにある革足袋も、「靴ではない日本の『履物』」なのかもしれないですね。ここに来られた方には、どういうふうに楽しんでもらいたいですか?
- 関塚:
-
「いいな」って思ったら、履いてもらえたらと思います。それ以上ないですね。履物って、履くために一回脱がないといけないじゃないですか。纏ってきた靴やソックスを脱ぐ。あの「脱ぐ」っていうのはすごく大事な行為なんです。茶室に入るときに、武士が刀を置くのと一緒。すると身分の上下関係がなくなる。それと同じことが、履物でも起こるように思います。
- 土門:
-
ほんとに。裸足になるって、思い切ってさらけ出す感じしますよね。
- 関塚:
-
そうそう。足って見られたくない人もいるから。でも、病院みたいに思ってくれたらいいですよ。足の医者だと思って、委ねてもらえたらいいなと思います。
- 土門:
-
岩崎くんは、来た人にこういうふうに楽しんでほしいというのはありますか?
- 岩崎:
-
自分としては、「いいな」という感覚を味わってもらうのはもちろんこと、「日本のものを日常に取り入れる」というのを足元からやってほしいなと思っています。せっかく日本にいるんだから、和のものをぜひ日常に取り入れてほしい。
そして、コロナでなかなか外に出られない中でも、もう一度少しずつ外に出る楽しみを味わってもらえたらいいなと思います。
インタビュー終了後、羊革と鹿革、両方の「tanhi」を履かせてもらった。
関塚さんの言う通り、裸足になることは少し勇気のいることだったが、肌に直に感じる革足袋の柔らかさや暖かさは、実際に履いてみないと味わうことのできない贅沢な触感だった。
革足袋を裏側にしたときに、つい端っこのほうに目が行く。細部まで丁寧に作られたその革足袋は、確かに「美しい」ものだと思った。そういうものに出会い、触れ、作った人とお話ができるというのは、やっぱりオンラインでは不可能なことだと思い出す。
「履物」特集は11月29日まで。ぜひあなたも、美しいものに出会いに行ってほしい。
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