食品ロス野菜の行き先をつくり、ローカルコミュニティを育む町の小さな野菜売り場
プロジェクト概要
Outline
食品ロスの課題に、マガザンとしてどうやって向き合おう?
中書町(ちゅうしょちょう)青果店 は八百屋の「西喜商店」から毎週金曜日に直送される旬の野菜をマガザンキョウトの軒先で24時間販売している売り場のことです。
日々市場に出入りし、需要と供給がマッチせず流通の中で滞留した野菜が売れ残る課題に向き合う「西喜商店」に対し、わたしたちにできることは?という思いをずっと持っていました。
そんな思いと新型コロナの影響で外出する機会が減った町内の方々への解決策が重なり、軒先での食品ロス野菜販売プラットフォームの構想が始まりました。
今日もマガザンキョウトの軒先には季節の野菜が並び、地域の方がふらりと立ち寄る日常が育まれています。
プロジェクトの背景
Background
変化した生活様式とローカルコミュニティ
食品ロス課題を解決するための手段として販路の拡大を進めていた「西喜商店」。マガザンキョウトが位置する中書町は10分以上歩かないとスーパーがないため、特にご高齢の方々はお野菜を買い求めるのにひと苦労する環境。
小さな食品販売所をマガザンキョウトの軒先に作れば、食品ロスの課題に取り組みながらご近所の方の役にも立てるかもしれないと考えたのがこのプロジェクトの発端でした。
プロジェクトの発見
Discover
軒先での販売が [地域活性 - 社会貢献] のサイクルを生み出す
中書町青果店に並ぶのは、新鮮でとても美味しく食べられるのに、なかなか行き先がなく市場に滞留してしまっている野菜。
その食材をお買い求めの際に、マガザンキョウトのスタッフやたまたま居合わせた地域の人々と会話を楽しむことで、地域活性と社会貢献の小さなサイクルが生まれると考えています。
プロジェクトのディティール
Details
地域のためのサービスとしての商いを意識したデザイン
「中書町」っていう町の名前が入ると地域の方々にスッと届きそうでいいね。
おじいちゃんとかおばあちゃんには横文字にすると伝わりにくいかもしれない。
そんな風に議論して、「中書町青果店」というネーミングは生まれました。
駄菓子屋や昭和の露店をイメージしたフォントを使用したロゴを制作したり、ご利用のきっかけづくりとしてチラシをつくってコツコツとポスティングをおこないました。
ご利用のきっかけづくりとして作成したチラシ
プロジェクトの成果
Results
マガザンキョウトで生まれている井戸端会議
マガザンキョウトで中書町青果店が始まってから、それまで交流のなかった方が挨拶をしてくださるようになったり、野菜ディスプレイ用の籠を持ってきてくださった方がいたり、ぐんとマガザンキョウトがまちに馴染んだという実感が湧きました。また、この「中書町青果店」の取り組みが評価され中書町町内会の推薦を経て令和3年度の「京都らしい宿泊施設表彰」を受賞しました。
まちの人々からは「定期的にお店に足を運ぶようになり、野菜を選びながらスタッフの人や宿泊のお客さんと話せて楽しみが増えた」という声や、「季節の野菜が安い値段で手に入るから毎週の入荷が楽しみだ」とお声をいただいています。
現在、西喜商店と「京都市全域にこの取り組みを広げていこう」と話を進めています。例えば加盟店を募り、西喜商店が週末の配達のついでに野菜を届けたり、「無人販売キット」を制作して貸し出すなど、さまざまな仕組みを構想中です。
※西喜商店の詳細はこちら https://nishikisyouten.com
プロジェクトのチーム
Team
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近藤貴馬
西喜商店 四代目店主
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金田 金太郎
ストアクルー / アーティスト
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岩崎 達也
代表取締役 / 編集長
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佐々木 明日華
ディレクター / フォトグラファー
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