MAGASINN KYOTO

2022.05.11

ISSUE 17

特集 質感 〜 質感を「素材」と捉えるスタディ〜第二期をマガザンキョウトで開催します

ISSUE 17
特集 質感 ~質感を「素材」と捉えるスタディ~

第二期展示期間:2022.5.13 Fri. – 2022.5.29 Sun.

※第一期の内容はこちらより

4月から開始している質感特集の第二期展示が5月13日(金)よりスタート致します。

今回の特集では、Plotter Drawing を用いて7年という時間をかけ質感表現の集積を作り上げた深地宏昌氏が新しい「質感」に出会うためのスタディが行われてきました。

第二期ではイラスト、立体、伝統工芸、映像など、総勢6名のクリエイターやアーティストとコラボレーションした作品をマガザンキョウトにて展示致します。

これまでにない、Plotter Drawingの新しい可能性を追求した質感をぜひご覧ください。

共同編集者、深地宏昌とPlotter Drawingについて

今回の特集で共同編集として迎えた深地宏昌さんは、デザイナーとして活動しながら、『Plotter Drawing』という独自の手法を確立させ、グラフィック表現の研究と作品制作を行うクリエイターです。

「Plotter Drawing(プロッタードローイング)」とは、プロッター(ベクターデータを変換・出力する機器)でデジタルデータを物理的な動きに変換し、鉛筆、 ボールペン、筆ペン等の筆材で紙上にドローイングをおこなう技法です。
デジタルでしか実現しない緻密な線情報が、筆材によって物理的に紙に描写されると、摩擦や重力、湿度や気圧などの物理的要因が作用して滲みや擦れなどの偶発的表現が生まれます。

Plotter Drawingはそのようなデジタルとリアルの境界に生じる偶発的表現を意図的に創り出す表現手法です。

深地宏昌(ふかじ・ひろまさ)/デザイナー

1990年大阪府生まれ。京都工芸繊維大学大学院デザイン学専攻修了。プロッター(ベクターデータを変換・出力する機器)を用いてデジタルとリアルの境界に生じる偶発的表現をつくり出す手法「Plotter Drawing(プロッタードローイング)」を軸に、新しいグラフィック表現の研究を行う。カンヌライオンズ、ザ・ワン・ショー 、ニューヨークTDC賞、D&ADアワードなど受賞多数。

WEB : https://www.hiromasa-fukaji.com/
Instagram : https://www.instagram.com/hiromasafukaji/

第二期 質感コラボレーション展 クリエイター同士のコラボレーションによる新しい質感追求

本企画では、第一期と第二期にわかれそれぞれ異なる内容で質感について展覧会を実施しております。第一期は、Plotter Drawingの深地宏昌氏の7年分の質感の集積を個展形式で展示しました。

▲第一期の展示(メインスペース)

▲第一期の展示(袋綴スペース)

第一期の期間中、2階の宿泊スペースはコラボレーション制作のための「研究所」となり、そこで数々のスタディを行ってきました。

そこで生み出されたコラボレーション作品が第二期における展示作品になります。

第二期では、深地さんと異なる領域のクリエイターとの質感コラボレーション作品を発表します。

参加クリエイターはイラスト、立体、伝統工芸、映像など多種多様。
それぞれの個性の融合によって生まれる新しい「質感」をぜひご覧ください。

コラボレーション作品の紹介

第二期展示でPlotter Drawingとコラボレーションした作品の一部をご紹介します。

「カタチと質感」アーティストしんごとのコラボレーション

クリエイターしんごさんによる「リラックス」シリーズとPlotter Drawingのコラボレーション作品。 しんごさんが描いた形(アウトライン)と選んだ色に、Plotter Drawingによる質感をプラスすることで、新しい表現を目指しました。

これらの作品は、コンピュテーショナルなプロセスで生成された40万個以上の緻密な点描によって表現されています。

「ビットマップを描く」アーティストたかくらかずきとのコラボレーション

アーティストたかくらかずきさんによる「釈迦三尊」とPlotter Drawingによるコラボレーション作品。
たかくらさんが作ったドット絵を、ドローイングのデータに変換し、鉛筆で描くことによって新しい表現を目指しました。
ビットマップ(デジタル)のシンボル的存在であるドット絵を、あえてフィジカルな手法で描くことで、
「手法としてのギャップ」と「表現としてのギャップ」を孕んだ作品となりました。

「伝統技法の再解釈」音楽家武田真彦(大樋の黒共)とのコラボレーション

音楽家武田真彦さんの祖父母が制作していた、西陣織の黒帯「大樋の黒共」。
長らく栄えていた工場は和装文化の衰退によって平成4年に廃業となり、先祖代々受け継いできた美しい黒帯の技術はもう残されていません。
「祖父母の美しい織物をアーカイブとして残したい」「私ができる伝統の継承とは何か。」
その想いを元に、武田さんは西陣織を初めとする京都の伝統工芸について調査・スタディ・作品制作を続けてきました。

黒糸に漆の加工を施すことによって光沢の違いを作り、その差によって紋様を浮かび上がらせる黒帯の技術。
「黒の中の黒」の繊細な美しさを強く感じた深地さんは、その美しさをPlotter Drawingで表現することに挑戦しました。

伝統的に用いられてきた自然の和文様「遠山」「雷」「流水」の3図案を、コンピュテーショナルのプロセスを取り入れ、新たにデザイン。

漆黒の紙の上に、それらの文様を鉛筆で描くことで、黒紙と黒鉛の繊細なバランスで魅せる精緻な表現となりました。

「映像というレイヤーを重ねる質感の表現」映像作家徳丸雅士とのコラボレーション

国内外でのクラブシーンなどで即興的なビジュアルパフォーマンスを発表している映像作家 徳丸雅士さんとのコラボレーションは、Plotter Drawingの動きをカメラでキャプチャしながら、ビジュアル編集ソフトで即興的に動きにエフェクトをかけています。
これにより、プロッターマシン、紙などでのドローイングを施す手法などで用いるものですが、メディア・アートとの掛け合わせにより無機質な動きに有機的な効果を表すことができます。Plotter Drawing自身の質感を表現する主体性のある表現へと実現されました。

本作品は、即興性が必要な作品のため公開ライブパフォーマンスを行う予定です。※詳細は下記情報を参照

また、電子音楽家でもある武田真彦さんが即興的に映像作品と合わせた電子音楽とのコラボレーションも行います。

〜質感を「素材」と捉えるスタディ〜 第二期 展覧会情報

第二期 質感コラボレーション展 クリエイター同士のコラボレーションによる新しい質感追求

ISSUE17
特集 質感 〜質感を「素材」と捉えるスタディ〜

■期間
2022年5月13日 (金) – 2022年5月29日 (日)
営業時間:金・土・日 / 13時~19時
定休日:月・火・水・木 ※祝日は営業
※宿泊に関しては無休

【コラボレーション作家】

しんご(イラストレーション)
たかくらかずき (アート)
武田真彦 (伝統工芸、音楽)
徳丸雅士(映像)
Keiko Kishimoto(イラストレーション)
森丈人 (立体、コラージュ)

★公開ライブパフォーマンスイベント〜映像というレイヤーを重ねる質感の表現 映像作家徳丸雅士とのコラボレーション〜
日程:2022年5月15日 (日)17:00-19:00
会場:マガザンキョウト裏手の町家
入場料:無料

【出演】
深地宏昌 (PlotterDrawing)
徳丸雅士 (映像)
武田真彦 (音楽)

■オフライン会場
マガザンキョウト裏手の町家
〒602-8126
京都市上京区中書町685-3
075-202-7477 050-5251-7991
editorial@magasinn.xyz

■オンライン会場
マガザンオンラインストア
※オンラインスタートは5月18日20時〜になります。
定休日:無休

宿泊予約はこちらから
https://www.airbnb.jp/rooms/12844982

・お問い合わせ
お問い合わせ
メールアドレス:editorial@magasinn.xyz

■コロナウィルスの考えと対策について
現在流行している新型コロナウィルスの対策として、入店時のアルコール消毒やマスクの着用など予防対策をとった上で開催致します。
なお、期間中のイベントは状況によっては見送る場合がございます。

共同編集:深地宏昌
企画:magasinn.inc
企画協力:keshik.jp

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