空を見上げるネーミング
時間があるし千本三条の自宅まで歩いてみるかと、ある日の夕方に三条大橋を歩いていた。
後ろを歩いていた、バンドで音楽をやっていそうな見知らぬ若い女の子が、似たような格好の女友だちに言う。
「あ、月と金星!」
こんな時間に月と金星が見えるのか、と思って空を見上げると、雲も月も星もない綺麗な夕焼け空だった。
「そのバーのマスターがさー、」
と女の子は続けた。
何だ、お店の名前か、と思い過ぎかけて思い直した。
「聞くとつい空を見上げちゃう店名っていいな。」
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ネーミングというのは往々にして楽しく、悩むものだ。マガザンもそうだったし、ディレクションやデザインをお手伝いする案件でもそうだ。
聞くと空を見上げたくなる。
ネーミングの素敵な切り口だなと思った。