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マガザンキョウトは、なぜ特集をシーズン毎に変えていくのか?

マガザンキョウトは季刊誌のように、特集をシーズン毎に空間へ反映していく形態を取っている。

創館特集は、東京は駒沢の書店スノウショベリング店主中村秀一さんとつくった「本特集〜本を体験する〜」。
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現在開催中の第2号特集は、デザイン事務所れもんらいふ代表千原徹也さんとつくっている、「デザイン特集 〜れもん京都宿らいふ〜 」

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この仕組みは運営側としておもしろくもなかなか大変で、シーズン毎に小さな内装工事を繰り返す、時間もお金もかかる運営方式だ。

短期の経済的観点だけで見ると、マイナスの方が多いだろう。

ではなぜ、時間もお金もかかる特集展開をわざわざ続けていくのか?

それには、「働くとは何か?」という問いが大いに関係してくる。

マガザンキョウトの運営は、私たちスタッフにとって紛れもなく「働く」を差す。

「働く」とは、文字通り、「人が動いて」、「傍(はた)を楽にする」ということが根源にあると言われる。

ただ、創業者であり編集長の私は、マザー・テレサやヘレン・ケラーのような慈悲に満ちた「働く」ができるような立派な人間とは程遠く、まず他でもない「自分」が楽な状態、幸せな状態でないと、傍を楽にする思考や行動が建設的に継続していかないというのが正直なところだ。美味しいご飯を食べて、よく寝て、欲しいものを買って、たまには海外旅行も行きたいし、気の置けない仲間たちと話す時間が必要だ。

俗に溺れた人間なのだ。嗚呼。

でも、これが31年間何度努力しても変えられない、ありのままの自分なのだ。この自分と向き合うしかない。

そう悟った次に出てきた問いは下記だった。

「ズボラで我儘な自分が、『働く』を気持ちよく続けていくには、一体どうすれば良いのか?」

その問いに対するクリティカルなヒントは、過去に一緒に働いた人たちにあった。

良い働きをした、と過去に第三者に言われたり自分でも腑に落ちるケースに共通するのは、必ず「好きな人や尊敬するコアメンバーと一緒に働いていた」、という事実だった。

その昔、好きな人の消しゴムの切れ端すら愛おしかったように(キモい?)、あの人とだったら犬のウ◯コ拾いすら愉しくできるだろうな、ただひたすらに泥団子を作り続ける仕事すらこの人となら愉快な時間にできるだろうな、ということがありありと眼前に浮かんできた。

これだ、と思った。

仕事内容より、一緒に働く人が自分にはとても大事だ。

好きな人、尊敬する人と一緒に働ける仕組みをつくればよいのだ、と。

上記の思考が、マガザンキョウトの「特集をシーズン毎に空間に反映していく」という仕組みに落ちた。

まず、自分の好きな人&尊敬する人を思い浮かべる。その中から、素敵なカルチャーをつくっている人へ、お互いのタイミングや条件の合う企画と予算を仕立てて依頼をし、時に必死に口説いて、一緒に特集をつくりあげていく。宿があるから遠くの人にも滞在してもらえる。

そうすると、自ずと好きな人&尊敬する人と一緒に働くことができる。その時間はエキサイティングで、気づきや目からうろこに溢れていて大変勉強にもなる。

そうしてできた特集には、特集および特集パートナーに興味を持っている人を中心に足を運んでもらえている。そんな方々とのコミュニケーションであったりは、自分の興味関心に近かったり刺激をもらえる時間ばかりで愉しいに決まっている。そのお客様こそが最も大事なお客様であり、その人に満足いただける企画・運営になっていれば、よし。

 

 

この変化の連続なら、ズボラな岩崎達也でも きっと高いパフォーマンスで働き続けられる。

マガザンキョウトのビジネスモデルは気持ちよく成立する。

特集の本質はここにあるのだ。


店は、場所は、長い目で見ると「人」がほぼすべてであると思う。そこで働く人が気持ちのよい状態で活躍しないと、店も場所も育っていかない。多店舗展開をするにしても、スタッフを増やすにしても、新しいことを始めるにしても、そこだけはブレてはいけないところだ。

逆に、条件に当てはまる新しいチャレンジは、マガザンキョウトの店舗だけに囚われずにどんどん進めていこうと思う。人が呼び水だと思っている。

 

売っているモノが素敵なのも、コトが驚きに満ちるのも、それをつくっている人が原点にいる。

マガザンキョウトの特集から、そこにあるモノ・コトを通じて、つくっている人を感じてもらえれば、これほどうれしいことはない。
そんなどうにもこうにも偉そうなことを、家から店の間を自転車で走りながら思ったのだった。

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